バイト先の常連客に待ち伏せされ、掴み掛られた話

私がまだ学生のころです。大学進学を機に一人暮らしを始めました。
初めての一人暮らしで不安でしたが、同じ大学に進学した友人もいましたし、とても楽しみにしていました。
そしてバイトも始めました。家の近所のカラオケ屋さんです。昼の勤務で始めたのですが、夜勤の人が辞めてしまい、「代わりを雇うまで入ってくれないか」と頼まれ、夜の勤務を始めました。

 

その店でちょっとトラブルが起きました。
酔っぱらったお客様が転んで怪我をしたんです。
それがAでした。

 

Aは額を擦り剥いて血が出ていたので、空いていた部屋で消毒をして絆創膏を貼ってあげました。
AとAの連れ2人は私に何度もお礼を言って帰っていきました。

 

それからAが頻繁に店に来るようになりました。
1人で来て、大して歌う様子もなく、ビールを飲んでは帰っていきます。
今思えば私の勤務日や帰宅時間をチェックしていたようです。

 

そしてある日大学から帰るとAが私のアパートの前にいました。
「こんにちは、偶然ですね」
常連客とばったり鉢合わせた程度にしか思っていない私は挨拶しました。

 

するとAがいきなり「こんな遅くまで何をしていたんだ!」と叫びました。
私が訳が分からず呆然としていると「講義は4時までだろう、もう7時だ、何をしていた!」
「俺を差し置いてほかの男と遊んでいたんじゃないだろうな!」などと怒鳴りました。
「え…なんでそんなこと」
と呟くと、止めのセリフが。
「お前は俺の彼女なんだから当たり前だろ!」
彼女?何のこと?もう訳が分からず、ただただ怖い。頭がまっしろで、足がすくみました。私は気が強い方ですがこの時は何も言い返せずパニックになりました。

 

もうどうすることもできず黙っていると、Aが掴み掛ってきました。
「なんでお前は俺の言う通りにしないんだ!」
本当に身の毛がよだちます。
幸い交番が近かったのでお巡りさんが駆けつけて、Aを取り押さえてくれました。

 

事情聴取でAは
「私は怪我を治療してくれたのだから自分に好意を寄せており、それを自分が許可したのだから付き合っている」
と主張したそうです。

 

彼の中で私は彼女であり、その私を管理するため店から尾行し、私の家や大学を突き止めたようです。
Aに知られていると思うと怖くて店を辞め、アパートも引き払いました。
本当は大学も辞めたかったのですが、流石に踏みとどまりました。
幸運なことに、友人が住んでいるのマンションに空きがあり、そこはセキュリティがしっかりしていたのでそちらに越しました。

 

しばらく大学を休み、その後登校は友人に付き添ってもらい、なるべく1人にならないように生活しました。
大きな被害は受けずに済みましたが、今でもストーカーにあった恐怖から、時々誰かに見られているような気がして辛いです。